鎌倉彫ってなぁに?

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鎌倉彫は、木に彫刻(ちょうこく)をして、うるしを塗(ぬ)ったうつわや家具などの工芸品(こうげいひん)です。
鎌倉彫はじょうぶで長持ちするため、明治時代(1868~1912年までの間)には、100年間の保証書(こわれないことを約束する紙)がつけられていたこともありました。
また、うるしを塗ることで、彫刻したところがはっきりと見えるようになり、彫りの形や深さなどを見て楽しむことができます。
1979年1月12日、鎌倉彫は伝統的工芸品(でんとうてきこうげいひん)に指定されました。伝統的工芸品とは、ふだん使う生活用品のうち、技術・技法が100年以上続く歴史があることを、国からみとめられたもののことです。決められたしんさを通った、全国の約230品目の工芸品が指定されています。

経済産業省ホームページ  日用品・伝統的工芸品

鎌倉彫は大きく分けて、「デザイン工程」「木地工程」「彫刻工程」「塗り工程」の4つの工程(こうてい)で作られます。

デザイン工程

使い方や使う人のことを考えて、材料の形、文様(もんよう)、彫り方、うるし塗りの色を決めます。

木地工程

木材を使って作られた、彫刻される前のお盆やお皿などのことを“木地(きじ)”といいます。これが鎌倉彫のもととなります。丸いお盆やお皿などは“ロクロ”、四角いお盆などは“ルーター”という機械を使って作られます。また、木を組み合わせて作る箱、彫刻刀を使ってくりぬいて作るものもあります。木地の材料としては、北海道でとれる“かつら”の木がよく使われます。

彫刻工程

木地に文様をえがいた後、彫刻します。彫刻では小刀(こがたな)や平刀(ひらとう)など、文様にあわせてさまざまな種類・大きさの彫刻刀を使い分けます。

塗り工程

彫刻の完成した木地は、うるしを塗って仕上げます。うるし塗りは、何度も重ねて塗ることで完成します。鎌倉彫では、仕上げのうるし塗りの後に、お米の仲間である“マコモ”という植物の粉を一面につけてこすり、鎌倉彫の表面をみがきます。そうすると、鎌倉彫の彫りを美しく見せることができ、落ち着いた色とつやが生まれます。

現在、工ぼうではそれぞれ専門(せんもん)の人が、分たんして仕事をしています。

また、一人で全部の工程をする作り手もいます。